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「映画VS原作本 映画脚本のヒ・ミ・ツ」
200×年〇月第〇週号
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映画脚本と原作本(コミック含む)のあらすじを
比較レビューします(ねたばれあり)。
映画好きでも本を読むのが面倒くさい人から脚本の勉強をされている方まで、
さまざまな方にお楽しみ頂けるよう映画と原作の関わりを解説します。
東西の新作・名作・怪作をジャンルにとらわれず広く取り上げます。
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第1××回
映画と原作「陰日向に咲く」
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■作品基礎データ
「陰日向に咲く」
2008年 日本映画
監督:平川雄一朗
脚本:金子ありさ
出演:岡田准一
■原作小説
「陰日向に咲く」
劇団ひとり 著
2006年 幻冬舎
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劇団ひとりの処女作にして80万部を超える大ベストセラー小説となった
「陰日向に咲く」が映画になりました。
東京の“日の当たらない”人々を、ユーモア溢れる優しい視点で綴る感動作です。
一組の男女を軸に、陰日向で懸命に生きている9人の人生が交錯します。
東京の空撮のバックに天気予報が台風の接近を知らせる。
カメラは次第に降下し、
新宿西口公園傍の路上に停車する観光バスの運転席でパンと飲み物をほおばる
運転手シンヤ(岡田准一)のアップになる。
??というのが映画のオープニングです。
原作ではシンヤ(に相当する人物。名は無い)は35歳の駅員ですが、
それがどうして26歳の観光バスの運転手に変更されたのか、事前の宣伝情報では
謎でしたが、本編を見てすぐ納得が行きました。
原作は五つの短編の連作です。
登場人物が少しずつ次の話に登場していて、
全体が輪なってつながっています。
これをそのまま映像化するとオムニバスと呼ばれる形式になるのですが、
本作品ではその手法は取られず、
シンヤと原作には登場しない寿子というふたりを主人公に、
他の人物達のエピソードが同時平行的に描かれています。
邦画でメジャーなオムニバスといったら
森田監督の「私、怒ってます」シリーズくらいなもので、
後はビデオリリースを前提としたマイナー作品等に多い手法のようです。
バス運転手のシンヤがハンドルを握って新宿界隈を走り出すと、
リュウタロウ(三浦友和)、モーゼ(西田敏行)、ゆうすけ(塚本高史)、
みゃーこ(平山あや)ら主要登場人物が次々登場し、
最後に浅草で寿子
(宮崎あおい ※崎という文字は大と可と山の通常の組み合わせではなくて、
旧漢字の立と可と山の組み合せです。文字化けするので便宜上、宮崎と表記します。)
の落とした百円玉を拾ってシンヤがあげて、
ドラマがスタートします。
自ら都内を動き回ってくれる主人公にしておくことで、
画面上の狂言回しとして都合が良かったのでしょう。
(ただし脚本的には、この冒頭部分を除けばその設定が
特に映画全体に貢献している様子は無いですが)
目の前に道がひらけた。その時、
リュウタロウは行き場を失ったような気分で
せわしく行き交う人々をぼんやり眺めていました。
すると歩道橋の上からひとりのホームレスが
重ね着した服をマントのようになびかせ、骨の
折れた傘を杖代わりに降りて来ます。
周囲のビジネスマンやOLたちが次々と彼を避け、
そこにひと筋の道ができた。あたかも海が割れたように。
リュウタロウは思わず「……モーゼ」とつぶやきました。
リュウタロウは新宿副都心に勤めるエリートサラリーマン。
だが、モーゼに出会ってからホームレスヘの憧れを募らせます。
シンヤのバスが出発する新宿西口の歩道橋下で
リュウタロウはモーゼを目撃しています。
モーゼのエピソードは原作の最初の短編ですが、
映画のようにリュウタロウはモーゼの姿を見てホームレスヘの憧れるのではなく、
もともと本人にホームレス願望があって、
挙句公園デビュー(!)してからモーゼと知り合っています。
シンヤが秋葉原でアイスコーヒーと間違えてホットコーヒーを自販機で
買った時にすぐ傍でテレビモニターに映るみゃーこを見ながら
踊っているのが、ゆうすけと彼をリーダーと崇めるみゃーこファンの
二人のバイト仲間です。
原作では二番目の短編に登場するゆうすけは(こちらも原作では名無し)
単独行動ですが、映画では子分を連れ歩いています。
短編はいずれも一人称で描かれており、
濃い目の思い入れを抱えた人たちばかりで、
延々と自分の思いを語る合間にドラマが進行する描かれ方です
映画ではそのままやるとモノローグだらけになるので、
セリフのキャッチボールをする相方をそれぞれ設けて芝居を作っていますね。
そして観光バスの目的地、浅草寺でシンヤが時間つぶしをしていると
目の前に百円玉が転がってきて、
拾った彼が渡した相手が寿子です。
8月13曰、本曰の出費。朝ごはん
「まろやかクリームパンとつぶつぶオレンジ、計248円。
ビッグコミックスピリッツ、270円」
シンヤは事細かに日々の出費を小遣い帳につける。
勤めている会社の所長に金を借りた時の約束だからです。
所長には毎月の返済と一緒にこの小遣い帳も見せています。
でもこの小遣い帳、100円ショップで適当に買ったため、
表紙には「わたしの赤ちゃん日記」と記されています。
シンヤが借金まみれになった原因はパチンコです。
気づけば借金の額は400万を超えていました。
誓約書を書いて、
所長に助けてもらった時は本気でもうギャンブルに手を出さないと誓いました。
でも、いざパチンコ屋の前に立ったら、
ついふらふらと台の前に座ってしまっています。
最初は神がかったように当りますが、
調子にのって結局、最後はすっからかん。
仕方なくローン会社の世話になろうとすると、
ブラックリストに載っているからと融資を断られてしまいます。
シンヤ(彼も又原作では名がない)は4番目の短編の主人公です。
3番目にはリュウタロウの娘が登場しているのですが、
そのエピソードは映像化されていません。
短編の中で出来が一番悪いのと、
設定が変更されて娘が息子に変えられているためです。
だれが息子かというとそれは…。
まあ、あとでネタ晴らしをしますね。笑
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「映画VS原作本 映画脚本のヒ・ミ・ツ」
200×年〇月第〇週号 (祝祭日・年末年始除く毎月第1第3月曜日発行)
発行者 :寿咲
発行システム:インターネットの本屋さん『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/
マガジンID:P0000407
【「映画VS原作本ストーリーダイジェスト」は、転載, 複写 厳禁です。】
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