まぐMM
独学攻略 通関士試験 〜関税定率法のツボ〜 サンプル
ID:P0000989
 

独学攻略 通関士試験 〜関税定率法のツボ〜

-------------------------------------------------------------
目次

1. 今日のテーマ
2. 関税定率法第4条第1項〜第5項
3. 今日のポイント
4. 通関士物語 〜新人君の疑問〜
5. 過去問題に挑戦
6. 過去問徹底解説

---------------------------------------------------------------------------

1. 今日のテーマ

通関士を目指す皆様、こんにちは!

これから何回かにわたって関税定率法第4条の課税価格の決定の原則、そしてその原
則が適用されないケース、またその場合の課税価格の決定方法などをみっちりとやっ
ていきます。

ここのところは、通関士試験において重要なだけでなく、その後の通関業者に就職し
て実務をする上でも、また他の貿易関係の仕事に従事する場合でも、基本中の基本で
あり、また難しいところでもある、とても重要な部分です。

まずは、定率法第4条第1項から第5項まで目を通してみましょう。
意味が分からなくても、そこで頭を抱え込む必要はありません。
とりあえずサラッと読んでみましょう。

その後、今日のポイントとして定率法第4条第1項のポイントを掴み、
「通関士物語〜新人君の疑問〜」で、噛み砕いた解説をしていますので
理解を深めてください。

最後に通関士試験の過去問題に挑戦して、理解を確実なものとしましょう!

定率法4条第1項以外のポイントについても、次号以降で引き続き取り上げて
いきますのでご安心を。

-----------------------------------------------------------------

2. 関税定率法第四条 〜課税価格の決定の原則〜

輸入貨物の課税標準となる価格(以下「課税価格」という。)は、次の規定の適用があ
る場合を除き、当該輸入貨物に係る輸入取引がされた時に買手により売手に対し又は
売手のために、当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格(輸出
国において輸出の際に軽減又は払戻しを受けるべき関税その他の課徴金を除くものと
する。)に、その含まれていないい限度において次に掲げる運賃等の額を加えた価格
(以下「取引価格」という。)とする。

1. 当該輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃、保険料その他
    当該運送に関連する費用(次条及び第四条の三第二項において「輸入港まで
    の運賃等」という。)

2. 当該輸入貨物に係る輸入取引に関し買手により負担される手数料又は費用
    のうち次に掲げるもの

(イ)仲介料その他の手数料(買付手数料を除く。)
(口)当該輸入貨物の容器(当該輸入貨物の通常の容器と同一の種類及び価値
      を有するものに限る。)の費用
(ハ)当該輸入貨物の包装に要する費用

3. 当該輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で又は値引
    きをして直接又は間接に提供された物品又は役務のうち次に掲げるものに要
    する費用

(イ)当該輸入貨物に組み込まれている材料、部分品又はこれらに類するもの
(ロ)当該輸入貨物の生産のために使用された工具、鋳型又はこれらに類するもの
(ハ)当該輸入貨物の生産の過程で消費された物品
(二)技術、設計その他当該輸入貨物の生産に関する役務で政令で定めるもの

4. 当該輸入貨物に係る特許権、意匠権、商標権その他これらに類するもの
    (当該輸入貨物を本邦において複製する権利を除く。)で政令で定めるものの
     使用に伴う対価で、当該輸入貨物の輸入取引の条件として、買手により直接
     又は問接に支払われるもの

5. 買手による当該輸入貨物の処分又は使用による収益で直接又は問接に売手
    に帰属するものとされているもの

-----------------------------------------------------------

3. 今日のポイント

それでは今日のポイントとなる定率法第4条第1項 
加算要素である“輸入港までの運賃等”についての条文を
できるだけ分かり易くして、もう一度見てみましょう。

定率法第4条

輸入貨物の課税価格は、輸入取引がされた時に買手により売手に対し、当該輸入貨物
につき現実に支払われた又は支払われるべき価格(輸出国において輸出の際に軽減又
は払戻しを受けるべき関税その他の課徴金を除くものとする。)に、次に掲げる運賃
等の額を加えた価格とする。

第1項. 当該輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃、保険料その他
        当該運送に関連する費用

-----------------------------------------------------------

4. 通関士物語 〜新人君の疑問〜

それでは今日のポイントを題材にした通関士物語を読んで理解を深めましょう!


この物語は通関業者・(株)正直屋通関社で働く通関士・太郎とその上司、先輩、
後輩達が繰り広げる通関実務のお話である。

彼らは東京港に到着する船便貨物の輸出入通関が主な業務だが、中小企業なので
それらに付帯する業務はみんなで協力し合いながら、和気あいあいと忙しい毎日
を過ごしている。

登場人物

太郎(主人公の通関士、主に輸入を担当するが輸出や国際輸送にも従事)
営業部の中嶋さん
入野先輩(輸入担当の先輩)
後輩君(通関士1年目の太郎の後輩)
新人君(入社したばかりの通関実務初心者)


今日のテーマ:課税価格決定の原則 〜加算要素 その1〜

太郎 「あっ 中島さ〜ん。ハッスル商事のソファーの輸入の件、あの分のArrival
       Notice 早く取り寄せてくださいよ。海上運賃が分からないから申告できない
       んですよぉ。」

中嶋さん 「えっ!? あ、そうだった。太郎、悪いんだけどハッスル商事の河野さ
          んに電話してArrival Noticeを早いとこFAXしろって言っといてくれ。
          俺、他のお客さんと約束があるからもう行かなくちゃいけぇねぇのよ。
          頼んだよ。」

中嶋さんはそう言い残してエレベーターに乗ってしまった。

ちなみにArrival Noticeとは船会社が荷主に送る貨物到着通知のことである。
このArrival Noticeに輸入申告に必要な海上運賃が記載されているのだ。

太郎 「ちぇっ。ハッスル商事の河野さんって俺、苦手なんだよなぁ...
       ねぇ、後輩君。河野さんに電話してArrival Noticeを早いとこFAXしろっ
       て言ってくれよ。さもなければ一生、輸入許可されないよって。」

後輩君 「え〜 俺だって嫌ですよ。あの人、必要な書類ぜんぜんくれないくせに、
         納品ばっかり早くしろ、早くしろってうるさいんだもん...」

太郎 「ホントそうだよな。この際、このまま放っておいて向こうから“いつになっ
       たら納品できるんだぁ〜!”って言ってくるの待ってようぜ。そしたら海上
       運賃を教えてくれないから申告できませんよぉ〜と言ってやるのさ。」

新人君 「でも中嶋さん、怒るんじゃないですか?」

太郎 「いいよ、勝手に怒らしとけば。帰ってきたら、忙しすぎてハッスル商事さん
       に電話できませんでしたって言っておこう。」

太郎のいい加減ぶりは社内でも有名で、もはやそれについて文句を言う者すらいない
程なのである...

新人君 「それにしても、何で輸入申告するのに海上運賃なんか分からなきゃいけな
         いんですか?」

後輩君 「それは貨物を輸入する際、関税は貨物そのもの金額と海上保険料、そして
         海上運賃を全部合計した金額に対して掛かるからだよ。」

話題の中に入野先輩がはいってきた。太郎のいい加減ぶりはどうでもいいのだが、
新人君がスキルアップするようにアドバイスしたいのだ。

入野先輩 「加算要素っていうのは分かる?」
新人君 「いえ、初耳です。」

入野先輩 「輸入申告において課税価格決定の原則は基本中の基本だよね。その中で
           も加算要素は大事な上に難しいんだ。この際によ〜く頭に叩き込んでお
           くといいよ。関税六法の定率法第4条第1項第1号から第5号に書いて
           あるからじっくり読んで、分からないところがあったら太郎によく教え
           てもらいな。」

新人君 「はい、がんばって読んでみます。」

新人君は関税六法を読み始めた。

新人君 「ん〜、なになに。輸入貨物の課税標準となる価格は、当該輸入貨物につき
         現実に支払われた又は支払われるべき価格に、その含まれていない限度に
         おいて次に掲げる運賃等の額を加えた価格とする...なんだかさっぱり
         分からないなぁ...」

太郎 「例えば新人君がコンビニで100円のボールペンを買うとするだろ。
       消費税の課税標準は普通だったらボールペンの100円だろ。それが課税価
       格ってことよ。だけど現実にはないだろうけど例えばの話で、新人君がどう
       しようもない横着者でコンビニの店員にここまで持ってきてもらうとする。
       その運賃が40円ならボールペン100円に運賃40円を足した140円が
       課税価格ということ。だから君が払う消費税は140円の5%で7円を払
    う。そんなイメージだね。」

新人君 「だからさっきArrival Noticeが無いと海上運賃が分からないから申告でき
          ないって言ってたんですね?」

後輩君 「そうそう。この定率法第4条第1項1号の“当該輸入貨物が輸入港に到着
         するまでの運送に要する運賃、保険料その他当該運送に関連する費用”っ
         てところがそれに該当するところだよ。」

新人君 「なるほどぉ。でも加算要素には運賃以外にも入野先輩が言うように定率法
         第4条第1項第1号から第5号までいろいろあるんですね。」

太郎 「そう。はっきり言ってそれを全部説明してたら仕事が手につかなくなっちゃ
       うからな。2号から5号についてはまた今度じっくり説明しよう。新人君は
       今日のところは意味なんて分からなくてもいいから、とりあえず定率法第4
       条第1項のところをもう一度よ〜く読んでおくんだ。」

新人君 「はい、わかりました。」

つづく...次回は定率法第4条第1項第2号 
加算要素(買手により負担される手数料又は費用)についてです。お楽しみに!

-----------------------------------------------------------
5. 過去問題に挑戦

次のうち関税の課税価格決定の原則に関して、間違っているものはどれでしょうか?

(1)貨物を輸出港まで運送するために要した輸出国内の運賃は、課税価格に算入され
   る。

(2)輸入港到着後の運送に要する運賃、保険料その他当該運送に関連する費用であっ
   ても、その額が輸入港迄の運賃等に含まれている場合には、課税価格に算入され
   る。

(3)輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃は、課税価格に算入され
   る。

(4)保険が付されていない貨物の課税価格は、当該貨物が輸入港に到着するまでに通
   常必要とされる保険料を含めて計算される。

-----------------------------------------------------------
6. 過去問徹底解説

−解答−

では順番に考えていきましょう。

(1)については“輸入港までの運賃等”は課税価格に算入されるわけですから、
    当然、工場や倉庫から輸出港までの運賃も“輸入港までの運賃等”の一部分
    なので、課税価格に算入されます。よって(1)の文は間違えではありません。

(2)についてはまず問題がどんなことを言っているのかを考えてみましょう。
     例えば船会社が中国の上海から栃木県の宇都宮までの運賃について海上運賃と
     日本の国内輸送料金をまとめて10万円で請求したとします。しかし実際のこの
     運賃の内訳は海上運賃6万円と栃木までの国内運賃が4万円だとします。

     この場合、国内運賃の4万円にも関税がかかるのでしょうか、どうでしょうか?
     というのがこの問題の主旨です。そう考えれば、この問題の文章は“間違え”
     ということが分かりますね。輸入港から日本の納品先までの運賃やその他の費
     用は日本国内の経済活動なので、関税はかかりません。

(3)は基本問題ですね。この文章は正しいです。今日のポイントそのままです。

(4)の文章は間違えです。海上保険料等については、実際に貨物に保険を掛けて、
     その保険料を支払っていれば、「当該輸入貨物につき現実に支払われた又は
     支払われるべき価格」の一部として課税価格に算入されます。

     しかし保険を掛けていない貨物については「払ってもいない保険料がなんで課
     税価格に算入されなきゃいけないんだ?」と素直に考えれば、この問題に引っ
     かかることはありません。

==========================================================================
(ID : P0000989) 独学攻略 通関士試験 〜関税定率法のツボ〜

発行者:通関AC

URL : http://www.plus1ac.com
E-mailは上記サイトよりお願いします。
--------------------------------------------------------------------------


		


閉じる

このページはまぐまぐプレミアムによる運営です
まぐまぐプレミアム