 |
 |
――――――――――――――――――――――――
らくらく通関士試験講座 通関業法 第1回
第1号(06年6月4日発刊)
――――――――――――――――――――――――
18年度(第40回)通関士試験について
去る4月28日に財務大臣から通関士試験公告が出されました。これによ
りますと、18年度(第40回)から出題形式が大幅にかわります。従来の
空欄記述式、短答式から択一式、選択式、計算式になります。
しかし、出題範囲は変わらないので、出題内容に大きな変化はないも
のと考えられます。通関士試験は国家試験なので、受験者の中の競争で
合否が決まる大学入試試験と違って、一定レベル以上にあれば全員でも
合格できます。従来の記述式、短答式問題で6割以上、全体で7割以上で
きれば合格できるというラインは、出題形式が変わっても大きく変わら
ないでしょう。
過去の問題の形式と新出題形式の関係は税関ホームページ等を見る限
り次のようになることが予想されます。
a.従来の空欄記述式→選択式のうち空欄に当てはまる適切な語句を選択
肢から選んで解答する方式
この形式は従来の空欄記述式に比べると選択肢がある分簡単になった
ように思われますが、おそらく過去の記述式で受験生の多くが間違った
語句(よく似てはいるが)がダミーの選択肢として入ってくるものと予
想されます。ここは、従来の記述式と同じく正しく覚える努力は惜しま
ないほうが近道です。
b.従来の短答式→択一式及び選択式のうち五肢の中から「正しいもの」
若しくは「誤っているもの」を複数選択する方式
この方式は従来の短答式そのものです。五肢から「正しいものを2つ
選べ」と「誤ったものを3つ選べ」は同じ問題です。
そこで、この講座は、過去の通関士試験の出題傾向から、この合格ラ
インに到達する学力を最低限の努力で養成しようとするものです。ま
た、出題対象である通関業法、関税法、関税定率法等の条文を暗記する
まで読んで覚えるのではなくて、個々の条文がどんな形で出題されるか
を知って、それにあった学習法を提供するものです。
「らくらく」と銘うっているので、受験生の皆様にそう思っていただ
けるような解説をしていきます。では、通関業法から学習を始めましょ
う。
1.通関業法の過去の問題の俯瞰
(1)(適語)選択式
(適語)選択式は従来の記述式と同じ範囲からの出題が予想されま
す。
通関業法では平成13年度から記述式は2題出題されてきました。
過去5年間の出題範囲を調べると次のことがわかります。
第1問は以下の3つの分野から出題されています。
通関業の目的及び通関業務 平成17年度、平成13年度
通関業の許可の基準及び欠格事由 平成16年度、平成14年度
通関業の許可の消滅 平成15年度
第2問は以下の分野から出題されています。
更正に関する意見の聴取及び検査の通知 平成17年度、平成14年度
通関業者及び通関士に課せられている義務、禁止行為 平成16年度
通関業者に対する監督処分、通関士に対する懲戒処分 平成15年度
記帳、届出、報告等 平成13年度
このように、第1問は3つの分野、第2問は4つの分野だけを学習すれ
ばいいのです。しかも対象となる条文は同じなので、過去の問題と解
答を覚えてしまえばこわいものはありません。
では、具体的に問題にあたってみましょう。
平成13年度 記述式 第1問
1.通関業法の目的は、通関業務の( 適正な運営 )を図ることによ
り関税の( 申告納付 )に関する手続や貨物の( 通関 )に関する
手続の適正かつ( 迅速 )な実施を確保することである。そのため、
通関業法は、他人の依頼を受けて通関手続の代理や( 代行 )を業と
する者に対して税関長の( 許可制 )をとっている。
2.ここで通関手続の代理とは、関税法等に基づく税関に対する手続で、
例えば、輸入申告のように( 法的 )効果をもつものを依頼人に代わ
って行うことをいう。
3.通関業法に基づいて通関業者が代理をすることが認められる手続に
は、関税法その他関税に関する法令によってされた処分につき、( 行
政不服審査 )法又は関税法の規定に基づいて税関長又は財務大臣に対
してする不服申立ても含まれる。なお、この不服申立てには、税関長に
対する( 異議申立て )と財務大臣に対する( 審査請求 )があ
る。
これを覚えれば、次の17年度の問題もほとんどできる。
平成17年度 記述式 第1問
次の記述は、通関業法の目的及び通関業務等に関するものであるが、
( )内に正しい語句を記入しなさい。
1.通関業法は、通関業を営む者についてその業務の規制、通関士の設置
等必要な事項を定め、その業務の( 1 )な運営を図ることにより、
関税の( 2 )その他貨物の通関に関する手続の( 1 )かつ(
3 )な実施を確保することを目的としている。
2.通関業とは、業として通関業務を行うことをいい、他人の依頼によっ
て、例えば関税法第7条の2第1項(申告の特例)の承認又は指定の申請か
らその承認を得、又は指定を受けるまでの手続の( 4 )をする場合
には、その業に従事しようとする地を管轄する( 5 )から通関業の
( 6 )を受けなければならない。
3.通関業者が( 4 )をすることが認められる手続には、関税法その
他関税に関する法令によってされた処分につき、関税法又は( 7 )
の規定に基づいて、( 5 )又は( 8 )に対してする不服申立て
も含まれる。
4.通関業者は、通関業の( 6 )に係る税関の( 9 )においては
通関業を営むことができない。ただし、( 10 )から依頼を受けた通
関業務その他税関官署に対する手続で相互に関連するものについては、
当該( 6 )に係る税関の( 9 )においても、当該手続に係る通
関業務を行うことができる。
【解答】
1.適正 2.申告納付 3.迅速 4.代理 5.税関長 6.許可
7.行政不服審査会 8.財務大臣 9.直轄区域外 10.同一人
できましたか?
上の問題の前半部分が関税ホームページで新形式の問題の例として挙
がっています。
では次の分野です。通関業の許可に関する問題です。まず、14年度の問
題です。
14年度 第1問 次の記述は、通関業法第5条(許可の基準)の規定に
関するものであるが、( )内に正しい語句を記入しなさい。
1.税関長は、通関業の許可をしようとするときは、その許可申請に係る
通関業の( 経営 )の基礎が確実であることを確認しなければならな
い。この場合における( 経営 )の基礎が確実である」とは、許可申
請者の( 資産 )内容が充実し、( 収支 )の状況が健全であり、
かつ、( 通関業務 )を営むための必要な( 設備 )が整っている
と認められることをいう。
2.また、税関長は、許可申請者が、その( 人的 )構成に照らして、
その行おうとする( 通関業務 )を適正に遂行することができる
( 能力 )を有し、かつ、十分な( 社会的 )信用を有するかどう
かを審査しなければならない。
3.さらに、税関長は、許可申請に係る通関業を営む( 営業所 )ごと
に、通関業法及びその政令に基づいて設置が必要とされる( 通関士
)が適正に置かれることとなっているかどうかを審査しなければなら
ない。
これが憶えられたら、次の問題に挑戦してみましょう。
17年度第1問 次の記述は、通関業の許可の基準及び欠格事由に関する
ものであるが、( ) 内に正しい語句を記入しなさい。
1.税関長は、通関業の許可をしようとするときは、次の基準に適合する
かどうかを審査しなければならないこととされている。
・イ その許可申請に係る通関業の( 1 )の基礎が確実であるこ
と
・ロ 許可申請者が、その( 2 )構成に照らして、その行おうと
する( 3 )を適正に遂行することができる能力を有し、か
つ、十分な( 4 )信用を有すること
・ハ その許可申請に係る通関業を営む営業所につき、設置が必要と
される( 5 )が適正に置かれることとなっていること
【解答】
1.経営 2.人的 3.通関業務 4.社会的 5.通関士
できましたか。なお、17年度の後半は欠格事由に関する問題なので、
これは別途憶えましょう。
2.税関長は、許可申請者が次に掲げる者である場合には、通関業の許可
をしてはならないこととされている。
・イ ( 破産者 )であって復権を得ないもの
・ロ ( 禁錮 )以上の刑に処せられた者であって、その刑の執行
を終わり、又は執行を受けることがなくなってから( 三 )
年を経過しないもの
・ハ 関税法の規定により( 通告 )処分を受けた者であって、(
通告 )の旨を履行した日から( 三 )年を経過しないも
の
・ニ 通関業の許可を取り消された者であって、その処分を受けた日
から( 二 )年を経過しないもの
次は「許可の消滅」に関する問題です。
15年度第1問 次の記述は、通関業の許可の消滅に関するものである
が、( )内に正しい語句を記入しなさい。
1.通関業の許可は、通関業者が通関業を( 廃止 )したとき、通関業
の許可を受けていた個人が死亡したとき、通関業の許可を受けていた法
人が( 解散 )したとき及び( 破産 )の宣告を受けたときは、消
滅する。
2.税関長は、通関業の許可が消滅したときは、遅滞なくその旨を( 公
告 )しなければならないが、その場合の( 公告 )は、税関官署の
適宜の見やすい場所に当該通関業者の住所、氏名又は名称及び消滅した
日を掲示して行うこととされている。
3.また、通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の( 通関
)手続があるときは、当該手続については、当該許可を受けていた者
(その者が死亡した場合はその( 相続人 )、法人が合併により消滅
した場合には合併後( 存続する法人 )又は合併により設立された法
人)が引き続き当該許可を受けているものとみなされる。
4.なお、通関業の許可が消滅したときは、遅滞なくその旨を税関長に届
け出なければならないが、この場合の届出者は、次のとおりである。
・イ 通関業者が通関業を( 廃止 )した場合には、通関業者であっ
た個人又は通関業者であった法人を代表する( 役員 )
・ロ 通関業者が死亡した場合には、( 相続人 )
・ハ 通関業者が( 破産 )の宣告を受けた場合には、( 破産管財
人 )
・ニ 通関業者である法人が合併により( 解散 )した場合には、通
関業者であった法人を代表する( 役員 )であった者
・ホ 通関業者である法人が合併又は( 解散 )以外の理由により
( 廃止 )した場合には、( 精算人 )
次は、記述式 第2問にいってみましょう。第2問の最初は更正に関す
る意見の聴取及び検査の通知です。まず、14年度の問題から見てみまし
ょう。
14年度 記述式 第2問 次の記述は、通関業法第15条(更正に関する
意見の聴取)及び第16条(検査の通知)の規定に関するものであるが、
( )内に正しい語句を記入しなさい。
1.通関業者が( 他人 )の依頼に応じて税関官署に対してした( 納
税の申告 )について、税関長が更正をすべき場合において、当該更正
が、当該( 納税の申告 )に係る貨物の関税率表の適用上の所属又は
課税価格の相違その他( 関税 )に関する法令の適用上の( 解釈
)の相違に基因して、納付すべき関税の額を( 増加 )するものであ
るときは、税関長は、当該通関業者に対し、当該相違に関し意見を述べ
る( 機会 )を与えなければならない。
2.また、税関長は、通関業者の行う( 通関手続 )に関し、( 税
関職員 )に関税法第67条の検査その他これに準ずる( 関税 )に関
する法律の規定に基づく検査で政令で定めるものをさせるときは、当該
通関業者又はその( 従業者 )の( 立会い )を求めるため、その
旨を当該通関業者に通知しなければならない。
憶えましたか。それでは、同じ出題範囲の17年度の問題にトライして
みましょう。
17年度 記述式 第2問 次の記述は、通関業法第15条(更正に関する
意見の聴取)及び第16条(検査の通知)の規定に関するものであるが、
( )内に正しい語句を記入しなさい。
1.通関業者が他人の依頼に応じて税関官署に対してした( 1 )の申
告について、税関長が更正をすべき場合において、当該更正が、当該申
告に係る貨物の関税率表の適用上の ( 2 )又は( 3 )の相違
その他( 4 )に関する法令の適用上の解釈の相違に基因して、納付
すべき( 4 )の額を( 5 )するものであるときは、税関長は、
当該通関業者に対し、当該相違に関し意見を述べる( 6 )を与えな
ければならない。
ただし、当該( 1 )の額の( 5 )が計算又は転記の誤りその
他これに類する( 7 )に明らかな誤りに基因するものである場合
は、この限りでない。
2.税関長は、通関業者の行う( 8 )に関し、税関職員に関税法第67
条の検査をさせるときは、当該通関業者又はその( 9 )の(10
)を求めるため、その旨を当該通関業者に通知しなければならない。
【解答】
1.納税 2.所属 3.課税価格 4.関税 5.増加 6.機会
7.客観的 8.通関手続 9.従業者 10.立会い
14年度の問題を記憶していれば、できない問題は7の「客観的」だけで
あることがお分かりでしょう。
では、次は通関業者及び通関士に課せられている義務又は禁止行為に関
する問題です。しっかり憶えましょう。
16年度 記述式 第2問 次の記述は、通関業法に基づき通関業者及び
通関士に課せられている義務又は禁止行為に関するものであるが、(
)内に正しい語句を記入しなさい。
1.通関業者及び通関士は、正当な( 理由 )がなくて、通関業務に関
して知り得た( 秘密 )を他に漏らし、又は盗用してはならない。
2.通関業者及び通関士は、通関業者又は通関士の( 信用 )又は品位
を害するような行為をしてはならない。
3.通関業者は、その( 名義 )を他人に通関業のために、通関士はそ
の( 名義 )を他人に通関業務のために、使用させてはならない。
4.通関業者は、その通関業務を行う営業所において取り扱う業務が、通
関士設置地域以外の地域においてのみ行われる場合、又は当該営業所に
おいて取り扱う貨物が一定の( 種類 )の貨物に限られている場合を
除き、その営業所ごとに( 一 )人以上の通関士を置かなければなら
ない。
また、通関業者は、通関士を置くべき営業所において通関士がいないこ
ととなった場合には、( 二 )月以内に新たに通関士を置かなければ
ならない。
5.通関業者は、通関業務に関して( 帳簿 )を設け、その収入に関す
る事項を記載し、一定期間保存しなければならない。また、通関業者
は、定期報告書を税関長に提出しなければならないが、当該通関業者が
法人である場合には、その報告期間に係る事業年度の( 貸借対照表
)及び( 損益計算書 )を当該定期報告書に添付しなければならな
い。
次の問題は、通関業者に対する監督処分又は通関士に対する懲戒処分に
関する問題です。いわば、16年度の義務又は禁止事項の違反に対する罰
則という関係があります。
15年度 記述式 第2問 次の記述は、通関業者に対する監督処分又は
通関士に対する懲戒処分に関するものであるが、( )内に正しい
語句を記入しなさい。
1.税関長は、通関業者が通関業法、関税法その他関税に関する法令等の
規定に違反したとき、又は通関業者の( 役員 )その他通関業務に従
事する者につき、通関業法、関税法その他関税に関する法令等の規定に
違反する行為があった場合若しくは通関業者の( 信用 )を害するよ
うな行為があった場合において、その通関業者の( 責めに帰すべき理
由 )があるときは、当該通関業者に対し、( 戒告 )し、( 一年
)以内の期間を定めて通関業務の全部若しくは一部の( 停止 )を
命じ、又は( 許可の取り消し )をする監督処分を行うことができ
る。
2.また、税関長は、通関士が通関業法又は関税法その他関税に関する法
令の規定に違反したときは、当該通関士に対し、( 戒告 )し、(
一年 )以内の期間を定めてその者が通関業務に従事することを( 停
止 )し、又は( 二 )年間その者が通関業務に従事することを(
禁止 )する懲戒処分を行うことができる。
3.なお、税関長は、通関業者に対して監督処分を行おうとするときは、
( 審査委員 )の意見を、通関士に対して懲戒処分を行おうとすると
きは、当該通関士がその業務に従事する通関業者の意見を、それぞれ聞
かなければならないとされている。
最後は記帳、届出、報告等の規定に関する問題です。
13年度 記述式 第2問 次の記述は、通関業法第22条(記帳、届出、
報告等)の規定に関するものであるが、( )内に正しい語句を記入
しなさい。
1.通関業者は、通関業務に関して( 帳簿 )を設け、その( 収入
)に関する事項を記載するとともに、その取扱いに係る通関業務に関す
る書類を一定期間保存しなければならない。
なお、一定期間とは、( 帳簿 )の( 閉鎖 )の日又は書類の(
作成 )の日後( 三年間 )である。
2.通関業務に関する書類とは、次のものをいう。
?通関業務に関し( 税関官署 )又は( 財務大臣 )に提出した申
告書、申請書、( 不服申立書 )その他これらに準ずる書類の写し
?通関業務に関し、依頼者から( 依頼を受けたこと )を証する書類
?通関業務に関する( 料金 )の受領を証する書類の写し
記述式の第2問は、過去5年間で重複した出題は更正に関する意見の聴取
及び検査の通知だけでした。しかし、13年度の記帳、届出、報告等も通
関業者及び通関士の義務、禁止事項と見れますし、15年度はそれに違反
した時の処分という具合に関連していますので、ぜひ関連づけて憶えて
おきましょう。
新出題形式の予想問題は、通関業法の学習が一通り終わった時点で学習
します。
|