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司法試験-短答式試験問題-対策と演習(民法篇) サンプル
ID:P0007199
 

司法試験-短答式試験問題-対策と演習(民法篇)
第○回(サンプル)
△月第×週
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今回の演習問題は、2問。
問題1は「判例」型、問題2は「条文」型である。
解答・解説は、2問分まとめて、問題の後に配置した。

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【演習問題1】
甲はA新聞紙上に掲載された名誉毀損記事につき、A新聞社に対し損害賠償請求訴訟を提
起した。Aは、当該記事がB通信社からの配信に基づくものであることから、Bに対し訴
訟告知をした。訴訟告知書の送達により、甲は遠隔地の地方紙である乙新聞社にも同じ配
信がなされていることを知った。この事例に関する関する次のアからエまでの記述のうち
判例の趣旨に照らし、誤っているものは何個あるか。

ア 訴訟告知書の送達と同時に、甲が乙新聞も同じ記事を掲載したことを知ったときは、
  送達から3年経過後に乙に対して損害賠償を請求できない。
イ 訴訟告知書の送達から1年間にわたる調査の結果、乙が同じ記事を掲載したことを知
  ったときは、それから3年経過後に乙に対して損害賠償を請求できる。
ウ 訴訟告知書の送達から1年後まで、甲は乙新聞が同じ記事を掲載したことに全く気づ
  かなかったが、乙の記事をきわめて容易に調査できたときは、送達から3年経過後に
  乙に対して損害賠償を請求できない。
エ 訴訟告知書の送達と同時に、甲は乙新聞が同じ記事を掲載した可能性が高いことを知
  り、さらに送達から1年後、甲は乙新聞も同じ記事を掲載したことを偶々知ったとき
  は、送達から3年経過後に乙に対して損害賠償を請求できない。

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【演習問題2】
甲・乙・丙の3人が存続期間を定めずに民法上の組合を結成したものとする。
次のア〜カのうち、乙・丙の意思の合致のみで実現できるものは何個あるか。
ただし、「正当な事由」はあるものとし、「やむを得ない事由」はないものとする。

ア 非組合員である丁に業務執行を委任
イ 甲に業務執行を委任
ウ 業務執行者丁の解任
エ 業務執行者丁の辞任阻止
オ 業務執行組合員甲の解任
カ 業務執行組合員甲の辞任阻止
キ 甲の除名
ク 甲の脱退阻止
ケ 解散
コ 甲を清算人に選任
サ 清算人甲の解任

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【演習問題1の解答】

  ※参考文献名は略称。
   HP(http://shihoushiken.11.dtiblog.com/)を参照のこと。

 最判平成14年1月19日は「民法724条にいう被害者が損害を知った時とは、被害者が損害
の発生を現実に認識した時をいう」とする。
ア
 送達と同時に「知った」(現実の認識)時点から消滅時効が起算されるから、それから
 3年後に損害賠償請求権は消滅する(もちろん、判例の立場−不確定効果説では、乙が
 援用することが前提である。以下同じ。)ので、正しい。
イ
 送達から1年後に「知った」(現実の認識)時点から消滅時効が起算される。それから
 2年後には損害賠償請求権は存続しているので、正しい。

ウ
 最高裁は、被害者に損害発生の有無の調査の負担を課すことは不当であるとする(内田
 ?447頁)。たとえ、調査すれば知り得たとしても、現実に認識していない以上消滅時
 効は起算されないので、誤り。

エ
 送達により「損害発生の可能性が高いこと」を知ったとは言えるが、損害の発生を現実
 に認識していない以上消滅時効は起算されないので、誤り。
 
以上より、
誤っているものは、ウ・エ の2個となる。

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【演習問題2の解答】

ア 業務執行の委任のためには、組合契約の成立(組合員全員の意思合致)が必要である
  (670条1項。なお672条1項参照)。
  よって、乙・丙の意思の合致だけでは実現できない。

イ 業務執行の委任の要件は、受任者が組合員であっても異ならない。
  よって、アと同様であり、乙・丙の意思の合致だけでは実現できない。

ウ 業務執行の委任は、組合契約の一条項なのである(670条1項)から、これを解約する
  ためには、組合員全員の意思合致が必要である。
  よって、乙・丙の意思の合致だけでは実現できない。

エ 業務執行者が組合員ではない場合には、委任契約における無理由の解約告知の規定(
  651条1項)が適用される(671条の反対解釈)。そのため、丁は無理由の解約告知権
  を有する(651条1項)。
  よって、乙・丙の意思の合致のみではこれを阻止できない。

オ 業務執行の委任は、組合契約の一条項である(670条1項)から、これを解約するため
  には、組合員全員の意思合致が必要であるのが原則である(ウの解説参照)。しかし
  、民法は、「正当な事由」がある場合には「他の組合員の一致」により解任できる
  ものとしている(672条2項)。
  よって、乙・丙の意思の合致だけで実現できる。

カ 業務執行者が組合員ではある場合には、委任契約における無理由の解約告知の規定(
  651条1項)の適用が排斥され(671条)、業務執行組合員からの辞任には「正当な事
  由」が必要となる(672条1項)。
  よって本問では、「正当な事由」があるので甲の辞任は認められ、乙・丙の意思だけ
  では阻止できない。

キ 除名は、「正当な事由」がある場合には、他の組合員の一致によってすることができ
  る(680条)。
  よって、乙・丙の意思の合致だけで実現できる。

ク 存続期間の定めがないときは、各組合員は、いつでも脱退できるのが原則である(67
  8条1項本文)。ただし、「やむを得ない事由」がないときは、組合に不利な時期には
  脱退できない(同項但書)。
  よって、甲の脱退は「組合に不利な時期」か否か次第ということになり、乙・丙の意
  思の合致だけでは阻止できない。

ケ 組合員単独の解散請求には「やむを得ない事由」が必要(683条)である。本問では、
  「やむを得ない事由」はないから、乙または丙による解散請求(すなわち解約告
  知)はできない。
  なお、組合員が一人になることも解散事由となる(通説)から、乙・丙がそれぞれ脱
  退することにより組合員を甲だけにすることができれば、解散を実現できることにな
  る。しかし、〜やむを得ない事由」がないときは、「組合に不利な時期」には脱退は
  許されない(クの解説参照)。
  よって、乙・丙の意思の合致だけでは実現できない。

コ 清算人の選任は、総組合員の過半数で決することができる(685条2項)。
  よって、乙・丙の意思の合致だけで実現できる。

サ 甲が組合契約によって選任された清算人である場合には、687条により672条2項が準
  用されるため、「正当な事由」がある場合に限り、他の組合員の一致で解任できる。
  本問では、「正当な事由」はあるので、乙・丙の意思の合致で実現できる。
  また、甲が組合契約によって選任された清算人ではない場合には、明文規定はない
  が、685条2項の類推により、乙・丙の意思の合致で解任できると解される。
  いずれにせよ、乙・丙の意思の合致だけで実現できる。

以上より、乙・丙の意思だけで実現できるのは、
オ・キ・コ・サ の4個となる。
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【次回の演習範囲】
         民法総則(時効を除く)

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今号は以上。
すべて著作権は Tatsuya_Matsushima に帰属します。

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